一方、カナディアンロッキーのハイキングは、スイスと様子が異なります、
余りにも広大な山域のため、又、国の施策によるのでしょう、広大な土地に雄大な自然が手付かずで残っています。
その分、当然ながら電車、路線バス等の公共の交通手段も数限られています。
人気のあるハイキング・コースへ行くにも苦労します。日本のように、電車、バスを乗り継いで登山口まで行く事が出来ません。
自動車がないと動きが取れない国のようです。
(もっとも地元のハイキングツアーに参加すれば、有名なコースは気軽(?)に行けるのですが!)
私達は、レンターカー(日本で予約)で移動しました。目的のハイキング・コースに行くには、レンターカーが一番です。
最初は、左ハンドル(日本と逆で走行車線が反対になります)が不安だったのですが、走ってみるとそんなに心配する必要はないようです。
カナディアンロッキーのハイキングコースは、コース途中の案内板は少ないものの地図上に載っているルートはしっかりしています。
現地ではコンビニ等で簡単に山岳地図が手に入ります。
又難易度に応じたハイキングブックが、安く売っており(内容の割には安い)丁寧なコース図、所要時間、距離、高低差等が表示されています。
見ているだけでも楽しい本です。
ハイウエイのコース入り口表示と駐車場には案内版があり、登山道は良く整備されているので、地図に載っているルートを歩く限り、コースを迷う事は少ないと思います。
ハイキング中時々、山の自然保護の係員に出会いました。国をあげて自然保護に努めているようです。
カナディアンロッキーのハイキングコースの特徴は、ほとんどの山が人力で上がる以外はありません。
それも、結構な距離を谷あい沿いに上がって行きます。日本のように林道が奥深く通じていません。(自然保護が徹底されているようです。)
登りは、コースにもよりますが、始めダラダラ、中急登、上は広い高原状のカール底、そこより峠(パス)迄は急騰で、
パス迄行けば眺望は抜群雄大、ワイルドな世界が広がっているのが印象的でした。
そしてパスより頂上迄は、急角度の岩が立ちはだかっています。ロック・クライミングの世界です。
スイスの眺望は、美しい景色の中に急峻な山と人間の営みが非常に良くマッチした絵画の世界だと思います。
しかしカナディアンロッキーの景色は、雄大そのもです。果てしなく広がる氷河を戴いた山々、氷河で深くえぐり取られたカール底、此処かしこに点在する湖、人間を寄せ付けない隆々としたワイルドな世界を展開しています。
この様な厳しい世界にも、夏ともなると可憐な高山植物が咲き乱れ私達ハイカーを楽しませてくれます。
ハイキング中特に心配したことは、ルートファインディングではなく、熊に出くわす事でした。
熊対策と言って、これと言った妙案はないそうですが、山の深い所では、常に大きな声で話すとか、物音を立てて歩くのが良いそうです。(もともと熊は臆病な動物で人間の声を聞くと自ら遠ざかって行くそうです。 急に出くわした時が危険)
カナディアンロッキーのハイキングで注意する事は、メドウを歩く時、蚊の対策を考えておく必要があると思いました。
時期と場所にもよるのでしょうが、蚊が急に発生すると、ハイキング中、常に蚊の大群に取り巻かれて行進する羽目になります。その蚊も日本の蚊の3倍以上の大きさです。噛まれると膨れ上がります。
(但し、大きいズータイの為か動きが鈍い)
蚊ならず(必ず)蚊よけスプレーを持参し、体に薬を吹き付けておく必要があると思います。(スーパー等で売っています)
カナディアンロッキーには、ハイキングコースが彼方此方にあります、広大なため、コースによっては、1日中人に会わない事もあります。
ハイキングコースとは言え万一のため、気候の変化に備えた十分な装備と、食料だけは準備して行く必要があります。
私達のハイキング中、真夏にもかかわらず、雨が雪になった事もあります。3,000メートル級の山々に入山している訳ですから、当然といえば当然ですが。